大鉞は、鉞 を大型化したものであり、基本的な構造は変わりない。 しかし、大きく重くなった分、強力無比な漸撃力を備えている。
大鉞には、刃が重くなった為に工夫がなされた点が幾つかある。 刃が重いと扱い難い為、軽量化の為にハート型の穴をあける事があった。 これは猪の目を模しており、猪目刻みたる鉞と呼ばれる事もある。 大鉞は敵への衝撃も大きいが、その分だけ武器への負担、つまり柄に負担がかかってしまう。 その為、金属を巻く事により強化処理が施されている。 鉄の細板を巻いたものを蛭巻きしたる鉞と呼び、 それに銀磨きしたものを銀の蛭巻きしたる鉞と呼んだ。 また、これら特徴を表した呼び名はそのまま固有名詞にもなっている。
斧や鉞といった武器もそうであるが、 大鉞はそれ以上に腕力のある者でないと扱う事は出来ない。 南北朝時代に頻繁に用いられた大鉞はまさに豪傑の為の武器であり、 鎧ごと武者を叩き斬るその様は評価された。 しかし戦国時代はもはや個人の実力の時代ではなく、 大鉞は活躍の場から遠のき、小型化された斧や鉞が道具として姿を留めた。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 大鉞 |
大鉞(おおまさかり、oomasakari) | |
分類 | 打撃/斧 |
全長 | 1.5m |
重量 | 4〜5kg |
時代 | 14〜16世紀 |
地域 | 日本 |
文化圏 | 南北朝時代、室町時代、戦国時代 |
更新日:2005/03/17