武器図書館

歴史上の武器や兵器を3DCGで紹介

topdatabase長柄鉾槍

ビル bill

bill

ビルとは鉤状の穂先を備えた武器である。 この形状は、農業用の鉈鎌から発達したもので、敵を引っ掛ける為の理想的なカーブ形状である。 峰の部分には、敵を打ち据える為の刺端が取り付けられている。

ビルは歩兵用の武器であり、対重装兵用に適していた。 当時はが重装化されており、 敵を引っ掛けて倒してから、打ち据える事が最も効果的な攻撃方法であった。 ビルは、特に農民や市民達に広く使われた。 これは高度な訓練を必要としない単純な用法であるからで、未熟な訓練であっても十分使いこなす事が可能だったからだ。

ビルの語源は両方の光つまり両刃の剣という意味を持つ、 ゲルマン語のbillumに由来する。 元々は、ビルホックシックルと呼ばれる農具から発展したものである。 図版は14世紀頃のものだが、まだ発展過程にあり様々な形状のものが存在する。 初期の11世紀頃は、バトル・フックの様に、刺端が無い形状であった。 やがて形状は複雑化していき、ギザームロンコーネの元になったとも言われている。 その頃には、ビルの元々の特徴である使い易さは失われていた。 そして16世紀中頃には火器の普及により戦場では使われなくなる。 18世紀中頃まではフランスやピエデモンの下級士官が使い続けが、 階級や所属部隊の紋章を刻んで用いた為、単なる象徴や儀礼用途の意味合いが大きかったと思われる。

ビル:諸元
項目 内容
名称 ビル
  • 英:bill(ビル)
  • 長鉈
分類 長柄/鉾槍
全長 2〜2.5m
重量 2.5〜3kg
時代 11〜18世紀
地域 欧州
文化圏 歩兵、農民、市民

更新日:2005/02/28

図版ファイル

関連情報

長柄 > 鉾槍

サイト情報