戟は、古くから中国に存在する武器で、戈や、 矛の機能を備えている。 矛を思わせる先端の穂先は「刺」と呼ばれ、 戈を匂わせる、横に突き出た刃は「援」 もしくは「枝」と呼ばれる。 刺と援は、一体の物と、分かれている物があった。
複数の武器の機能を併せ持たせた武器というものは欧州地方にも見られる。 特に中国は古くから利用されてきた為、使用された材質も時代とともに変遷した。 最初は青銅、後の世には鋼鉄と、長きに渡って用いられたのである。
戟は、様々な機能を取り揃えていた為か、戟を用いる兵士も様々で、また戟にも種類があった。 両手で用いる長い戟は長戟、片手で扱う短い戟は手戟と言う。 この手戟は、両手にそれぞれ持つ事もあったが、片方に手戟、もう片方に楯という事もあった。 時と場合に応じて、戈のように引っ掛け切る、矛のように突き刺す事が 可能だったのだが、その為、それぞれが中途半端なものとなってしまったのである。 やがて、矛の進化系でもある 槍 にその地位を奪われる事になる。
項目 | 内容 |
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名称 | 戟 |
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分類 | 長柄/鉾槍 |
全長 | 2〜3.8m |
重量 | 2.5〜3kg |
時代 | 紀元前16〜紀元後13世紀 |
地域 | 中国 |
文化圏 | 中国 |
更新日:2005/02/22