ロンコーネとは複雑な形状をした武器であり、 切先や鉤爪等、当時の流行を殆ど取り入れた武器である。 むしろ ビルやギザームを、ハルベルト化した武器とも言える。
ロンコーネは、これ一つで非常に多岐に渡る攻撃を繰り出す事が可能である。 刺突、引き倒し、殴り倒し、掠め切り、打ち切り等、当時必要とされていた機能を全て盛り込んである。 その為、熟練した使い手になるには高度な訓練を必要とした。 ビルの様に農市民が一揆に使う武器ではなく軍人がプロフェッショナル用途で用いる武器である。
イングランドで古くから使われてきた ビルやギザームには、 農業用工具から発展した事もあってか、武器という認識はなかった。 イタリアにおいてロンコーネと呼ばれるようになってからが、武器としての始まりだ。 15世紀頃から形状が次第に複雑化していき、16世紀頃のイタリアでは図版の様な形状になった。 時代の流れが自然とそうさせたとも、ハルベルトの影響を受けたとも言われている。 因みに、ギザームとロンコーネの違いは形状よりも言語にあって、 図版の武器をギザームと呼んでも差し支えはない。 一方のイングランドでは、この複雑化した武器はスコーピオンと呼ばれる。 スコーピオンとは蠍という意味であり、強力な毒を持った恐ろしい生物である。 名は体を表すが如く、サソリらしい武器である。
項目 | 内容 |
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名称 | ロンコーネ |
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分類 | 長柄/鉾槍 |
全長 | 2.5〜3m |
重量 | 2.5〜3kg |
時代 | 13〜16世紀 |
地域 | 欧州 |
文化圏 | 軍用 |
更新日:2009/07/06