フュスキーナは、トライデントの一種で、農具を起源とする。 矛先は三本あり、命中率は高くなっている。
この武器は軍用として正式には使われず、剣闘士の武器として用いられた。 古代ローマには、コロッセウムと呼ばれた巨大な円形競技場があり、 ここでは剣闘士の戦い「ムネラ」や猛獣狩り「ヴエナテイオネス」が行われていた。 コロッセウムは、周囲527m、高さ48.5mという巨大な建築物であり5万人の観客を収容する事が出来た。 剣闘士「グラディエーター」達が使った武器の一つが、フュスキーナである。 戦いの見物は、ローマ市民の娯楽の一つでもあった。 この武器の使い方は、右手にフュスキーナ、左手に網を持ち、 漁師が魚を捕らえるが如く、敵を捕らえて突き刺すのである。 戦いに敗れた剣闘士は運命を観客に委ねられる。 もしも勇敢に戦ったならば、観客は右手の親指を立てる。 それは許すという事なのだ。 もしも、親指が下を向いたならば、それは「斬れ」という意味を成す。 300年以上に渡るこの娯楽で命を落とした剣闘士は2000人、獣は5000頭を超えると言われている。
項目 | 内容 |
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名称 | フュスキーナ |
fuscina(フュスキーナ) | |
分類 | 長柄/槍 |
全長 | 1.2〜1.8m |
重量 | 1.5〜2.1kg |
時代 | 紀元前2〜紀元後2世紀 |
地域 | イタリア |
文化圏 | 古代ローマ |
更新日:2004/08/05