鉾は、比較的単純な構造をしており、突き刺す事を目的とした武器である。 地域を問わずこのような武器は古くから存在していた。 穂先には色々な種類があり、図版画像は両刃の菱形状にしたつもりであるが、他にも片刃の刀身、三角形などがある。 中には鎌状の枝刃がついたものもあり、これは深く刺さり過ぎない工夫であると同時に、対騎兵用の武器としての工夫でもある。 柄は、削った木に漆を塗ったもの等が使われ、時代が下ってから竹も用いられた。 重量軽減のために細めである事も特徴である。 尖った鉄製の石突が取り付けられた鉾もあった。
この頃は、片方の手に武器、もう片方に楯といった用法が一般的であった。 故にこの鉾も片手で握る。 この武器は中国で使われていた武器を輸入したのが始まりである。 中国では騎兵及び歩兵が装備したが、日本では歩兵用の武器として用いられた。 古代には二種類の鉾があり、幅広の矛先を持つものは神聖視され、狭い矛先のものは通常の武器として使用された。 武器としてだけではなく儀礼用としても用いられ、長く使われたが、やがてその地位を槍に奪われる事になる。 現在においては、正倉院にその遺物が残されている。
項目 | 内容 |
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名称 | 鉾 |
hoko(鉾) | |
分類 | 長柄/槍 |
全長 | 2〜5m |
重量 | 2.5〜3.5kg |
時代 | 3〜16世紀 |
地域 | 日本 |
文化圏 | 日本 |
更新日:2004/09/21