ランスとは騎兵槍の総称であり、3m以上の長い柄を備えた槍である。 その長さは、馬上からの攻撃に適している為である。 柄の材質にはトネリコやポプラ、糸杉、松といったものが使われた。 ランスはその形状から二種類に分類できる。
前者は洋の東西を問わず古くから使われており、 古代ギリシアではサリッサ、 古代中国では槊といった例がある。 ランスは6世紀頃よりフランク族が用いたもので、騎兵、歩兵を問わず使用された。 イングランドの歴代王では、 ウィリアム 二世 や ヘンリー 一世、 ステファン が用いた。 但しこれ以降の王は剣を使うようになる。
後者は騎士槍として有名なものであり、図版画像の様な三角錐である。 また、バンプレートと呼ばれる手を保護する巨大な鍔が取り付けられる事もあった。 このランスの登場は16世紀頃であり、騎兵突撃によって絶大な打撃を与える武器として知られた。
ランスの穂先には戦場では槍状のものが用いられたが、トーナメントでは コロネルと呼ばれる三叉の王冠状の金属製カップを付ける事もあった。 トーナメントとは騎槍試合或いは武術試合の事であり、 鍛錬、余興、喧嘩の解決手段、決闘といった理由で行われた。 尚、トーナメントでは、演出と安全の為に折れ易く細工したものが用いられた。
項目 | 内容 |
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名称 | ランス |
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分類 | 長柄/槍 |
全長 | 3.3〜5m |
重量 | 3.5〜4kg |
時代 | 6〜20世紀 |
地域 | 西欧 |
文化圏 | 騎兵、騎士、競技 |
更新日:2009/01/30