素槍とは全体的にすっきりとした形状の槍である。 穂先や柄に余分なものは無い。 素槍以外にも直槍や徒槍等と書く事もある。 それぞれの字が意味する通り、簡素や真っ直ぐ、歩兵足軽用の槍という事になる。 図版画像の素槍もシンプルな構成である。 素槍の分類としては、ショートスピアーや ロングスピアーに属する。 但し、素槍は穂先が長いものや短いもの等、全体として棒状の槍を広義的に指している。 その為、他にも様々な種類が存在する。
槍という武器は基本的に両手で扱う。 槍と似た武器に鉾があるが、これは基本的に片手で扱う為、繰り出す力は槍の半分程度である。 槍の方が突き出す速度は速く、そして刺撃力も強力である。 素早く突き出された槍は防ぐ事が難しく、簡単な 鎧なら突き通す事が可能である。 また、切刃だけの攻撃だけでなく、突き倒す、殴り倒すといった 棒のような攻撃も可能である。
素槍の登場は14世紀頃と考えられているが、この頃、武装に変化があった。 鉾は盾を持つために片手で扱う。 しかし武士の登場で兜鎧が発達し、盾を必要としなくなったのである。 その為、両手で扱う槍が登場し、また鉾よりも威力が優れていた為、戦場でよく用いられるようになった。 そして多くの流派を生み出したのである。
項目 | 内容 |
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名称 | 素槍 |
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分類 | 長柄/槍 |
全長 | 2〜3m |
重量 | 2.5〜3kg |
時代 | 14〜19世紀 |
地域 | 日本 |
文化圏 | 南北朝時代、室町時代、戦国時代、安土桃山時代、江戸時代、武士、歩兵 |
更新日:2004/09/25