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ウィングド・スピアー winged spear

wingedspear

ウィングド・スピアーとは穂先の根元部分に羽根の様な突起が設けられている事が特徴の槍である。 この羽根が由来して、今日ではウィングド・スピアーと名付けられている。

ウィングド・スピアーが登場した初期の4〜5世紀頃には、フランク人が投擲武器として使用した。 投擲した際、敵に深く刺さり過ぎなくする為に羽根がある。 8世紀頃にはノルマン騎兵が用いた。 騎兵が騎馬突撃すると槍の突き刺す威力が増大する。 あまり深く刺さり過ぎると、抜けなくなってしまう恐れがあり、羽根は歯止めの役割を果たした。 騎馬の突進が加わった刺突攻撃はそれだけで強力であり、一度の攻撃が致命傷を与え、必要以上に貫通させる必要はない。

ウィングド・スピアーは フラメアアンゴン から発達した武器であり、明確な区別があるわけではない。 ウィングド・スピアーを単に後期型のフラメアと称する事もある。 やがて単なる槍として西欧に普及した。 今日、ドイツ語辞典でSpießを引けば と出てくる(在間進,新アクセス独和辞典,三修社,2004)。 Spießは固有名詞でも何でもなく、広義の意味での槍だ。 それだけ、一般的な槍として広く普及したという事でもある。 その後、歯止めの役割だけだったウィングは更に大きくなり、別の武器へと発達していく。

ウィングド・スピアー:諸元
項目 内容
名称 ウィングド・スピアー
  • 英:winged spear(ウィングド・スピアー:翼付き槍)
  • 英:spetum(スペタム)
  • 独:Spieß(シュピース)
  • 仏:épieu(エピユ)
  • 伊:spiedo(スピエード)
  • 日:猪槍(いのししやり、inoshishiyari)
分類 長柄/槍
全長 1.8〜2m
重量 1.5〜1.8kg
時代 5〜16世紀
地域 西欧
文化圏 フランク族、ノルマン族、騎兵

更新日:2009/02/06

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