スクトゥムは、楕円もしくは長方形の大型の楯で、時代によってその材質も異なる。 基本的にはどのスクトゥムも同じである。 スクトゥムとは、ラテン語で盾を意味する。 その大型の楯によってローマ軍は盾の壁を作ったり、また、 攻城戦では盾で亀のように身体を覆う亀甲隊形を作り出した。
先ず、スクトゥムは共和制時代のローマ軍の標準装備となる。 この頃は木製の楕円形で、重さもあった。 中央の盾心は青銅製で丸く盛り上がっており、裏側は拳が収まるようになっていた。 つまり握る事が出来たのだ。 木製といっても縁は青銅製であり、敵の攻撃を受け止める事も可能で、盾の重さによって攻撃する事も出来た。
次いでローマ帝政時代には長方形となり、形は図版画像の様になる。 盾心に取り付けられたほぼ正方形の青銅は、中央が半球状に盛り上がっている。 やがてローマ帝国は東西に分裂する。 東ローマ帝国の重装歩兵であるスクタトゥスもスクトゥムを装備した。 やや異なるものとなったが、スクトゥムと呼ばれる楕円形の盾であった。 しかしながらビザンツ帝国の末期にはスクトゥムは用いられなくなる。
項目 | 内容 |
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名称 | スクトゥム |
羅:scutum(スクトゥム) | |
分類 | 防具/盾 |
全長 | 1〜1.2m |
重量 | 1〜10kg |
時代 | 紀元前4〜紀元後12世紀 |
地域 | 欧州 |
文化圏 | 古代ローマ |
更新日:2005/03/04