ファルクスは、刀身が大きく鎌のように反り返った刀剣である。 刃先がその内側にある。材質は一体成型の全金属製である。
ファルクスを用いたのは、ドナウ川下流の北部地方に棲むダキア人である。 用途は、打ち切る、振り回すといったものである。 ファルクスは斬撃力に大変秀でており、グラディウスを振るう ローマ兵の腕を簡単に切り落とす事が出来た。 しかし両手剣である筈のファルクスを、彼らは片手で振るう事もあったから、 斬撃力はその腕力が生み出したとも言えよう。
ダキア人は、ローマ人の古くからの交易相手である。 しかし、ダキア人はローマ帝国領を侵すようになる。 やがてローマとダキアは交戦を繰り返すようになり、ファルクスは絶大な威力を示した。 戦争を終着させたのは、ローマ五賢帝の一人であるトラヤヌス帝である。 ローマは彼らの武器を研究し、それに対抗すべく自軍兵士の装備を変えた。 対ファルクスには、腕を籠手でおおって防御力を高めた。 やがてダキアは征服され、ローマの属州となり、ローマ帝国は史上最大版図を実現する。
項目 | 内容 |
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名称 | ファルクス |
羅:FALX(ファルクス) | |
分類 | 刀剣/大剣 |
全長 | 1.2m |
重量 | 4kg |
時代 | 1〜2世紀 |
地域 | イタリア |
文化圏 | ダキア、古代ローマ |
更新日:2004/02/14