ロング・ソードは、全体として細長い剣である。 馬上での戦闘用に騎士が用いるのが主であり、 馬上で相手を突くために刃先が鋭くなっている。 ロング・ソードは構造的に、前期と後期に分かれる。
前期の頃は、刃の身幅が3〜5cm程度、肉厚も厚いものになっていた。 幅広い、刀身を持っていたのは事情がある。 当時は鋼鉄を作る事が出来ず、最先端の「焼き入れ」という技法を用いていた。 この「焼き入れ」技法は確かに金属の表面を強化が可能だったのだが、 刃の芯まで硬化させるには到らず、矛を交える度に、硬化した表面がはがれ、 強度がなくなっていくという欠点を持っていた。 加えて、芯はただの鉄であり、長い戦闘には耐えられず、折れるのではなく、曲がってしまう事もあった。 こうした諸事情によって、補強の意味で刀身を長くしていたのである。
時代が代わって、後期のロングソードでは、刀鍛冶技術が進歩し、鋼が用いられるようになった。 刃の肉厚が極めて薄く、そして軽量化が施されている。 つまり技術の進歩によって、細長いものが作れるようになったのだ。
項目 | 内容 |
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名称 | ロング・ソード |
long sword(ロング・ソード) | |
分類 | 刀剣/剣・刀 |
全長 | 80〜100cm |
重量 | 1.5〜2.5kg |
時代 | 11〜16世紀 |
地域 | 西欧 |
文化圏 | 中世ヨーロッパ |
更新日:2003/05/05