ヴェリトゥムとは投槍の一種であり、小型であることからダートと同じ用法で用いられた。 矢の柄には鉛の重りが取り付けられている。 図版画像にあるヴェリトゥムは柄が捻られているが、これは強度を増す為である。
ヴェリトゥムは東ローマ帝国の兵士が用いた。 彼らはスクトゥム等の盾の裏側に5本程備え付けておいたのだ。 最大射程は50m程であるが、実際には接近戦で用いられた。 戦闘において敵兵に投擲し、前衛を崩してから、白兵戦に持ち込んだ。 このような戦法が用いられた理由は、軍団兵の士気が著しく低下していた為である。 士気の低い軍隊を率いて戦うには、敵軍の士気をそれ以上に下げるか、敵軍と接触する必要のない中長距離射程武器を使うより他ない。 この他に各種投槍や、少しでも敵兵と距離を保てるよう長めに作られたスパタ等が使われた。
項目 | 内容 |
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名称 | ヴェリトゥム |
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分類 | 投擲/手裏剣 |
全長 | 30〜40cm |
重量 | 100〜200g |
射程距離 | 5〜20m |
時代 | 4〜5世紀 |
地域 | イタリア |
文化圏 | 古代ローマ、東ローマ帝国 |
更新日:2009/11/22